
地下鉄蒲生四丁目駅の真上あたり、バス停の真向かいに、大きく目立つ黄色の看板が見えます。
狭い階段を登った2階が、本格パンジャブ料理の老舗「RANI」。元はパンジャブ人がオープンした関西でも珍しいパンジャブ料理のお店でしたが、そのオーナーがご両親の事情でアメリカに移住したため、現オーナーのラジェンダール・ラナ氏が買い取って営業を続けています。
ラナ氏は梅田ナビオにある「スパイス王国ナビオ店」とこちらの2店舗を経営しており、今はメニューも同じになっています。ただ、場所柄もあってプライスはこちらの方が1割から2割は安く設定されていますね。

写真はBランチ。マサラ料理は पालक चिकन (Palak Chicken=ホウレンソウとチキン)です。
ホウレンソウを潰した料理は色が変わりやすく、作り置きしているお店はすぐに分かりますね。こちらはちゃんと色止めしたフレッシュなホウレンソウを使い、美しい緑色を損なわないよう一皿ずつ鍋で合わせて調理しているようです。とても丁寧な仕事です。
舌触りはとてもなめらかで、コリアンダーの影にブラックカルダモン・メース・クローブ・メティ・ジンジャー・べイリーフなどがバランス良く香り、鼻の奥からカルダモンの爽やかな香りが抜けて来ます。

パンジャブ料理と言えば、何と言ってもタンドール。
今でこそどこのインド料理店にもあるタンドール料理ですが、元はパンジャブ地方の郷土料理です。日本ではインド料理の代名詞のように思われているタンドーリチキンやナンですが、現代においてもインドの家庭にタンドールの設備はなく、それらを家庭で食べることはまずありません。
だからこそ、パンジャブ人が自分たちの郷土料理を提供することで、外食という概念がなかったインド人たちをレストランに連れ出すことに成功したのです。
多くのインド人たちにとって、普段食べているチャパティやパラータなど全粒粉(आटा=アタ)を練った茶色のパンではなく、ナンやクルチャなど白い小麦(मैदा=マイダ)のパンを食べることは特別な意味を持ちます。タンドーリチキンやカバブなどの肉料理は物珍しく、あっという間に人気になったことは想像に難くありません。
ですが、そうなると今度はパンジャブ人たちのビジネスの成功を真似ようとする者が出て来ます。見よう見まねで適当なものを作り、悪貨が良貨を駆逐するがごとく、偽者のタンドール料理がたちまち街に溢れるようになります。そして、そういう人たちが国外にビジネスチャンスを求め、インド料理を知らない外国人を相手に家庭料理に毛が生えたような料理を提供し、それを本場のインド料理だと勘違いさせ・・・後はもうお分かりですね?
もちろん、大衆食堂のオッサンの料理もそれはそれで良いものです。が、ことタンドール料理に関してはそれは言えません。あくまでパンジャブ料理と、そこから発展したムガル宮廷料理のみが本物であると言えます。
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